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2010年06月21日

使い易いニューヨークのヘラ



黒いプラスティックと、赤いシリコン素材で構成された「ヘラ」は
使いやすい台所用品で有名な、「OXO:オクソー社」の製品。
オクソー社はニューヨークに本社があり、ここの製品開発には
製造する従業員や販売員、人間工学の専門家や消費者リサーチなど
いろんな人の情報をモトに、新商品が開発されている。

特に、従業員や販売員が一番口うるさい消費者として全員がオクソー社の
製品を実際に使っているから、製品の品質が良くなる訳です。
商品が良いのは、良くなる理由(原因)がちゃんとあるのですね。
写真のヘラのグリップには、きめ細かな「仕上げ」がしてあり、写真では
見にくいのですが、手が触る部分は「ゴム」素材なので握りやすい。

毎日使う商品には、こういった「きめ細かな配慮」が商品を
デザインをする場合には大切です。
ただし、作っている本人が「これには細やかな配慮をしている」と思っても
実際に使う人が、「配慮が行き届いている」か、どうかは判断するもの。
やはり、使う人(買う人)たちの「オピニオン」を素直に聞く事も大切だと
OXO:オクソー社の商品は語っている。
形は普通でも、きめ細かな配慮がされている「グッドデザイン」な
キッチンツールのヘラです。  


Posted by デザイン散歩 at 19:03Comments(0)グッドデザイン

2010年06月10日

グッドデザインな栓抜き



丸いステンレスパイプの途中に、一箇所だけ「切り掛け」がついた
「栓抜き」を使いはじめてから30年近くになります。
最初に見た時は、ずいぶんとシンプルな「栓抜き」だなぁ~。

こういう手に持つ道具は、見た目も大事ですが、「手に持って」みない
ことには、その「使い勝手の良さ」がわからない。
そして、実際に持ってみると、重さの具合も手頃な「重量感」があり
持った時の「握り心地」のバランスも良い。
その握り心地良さを感じさせているのが、「太さ」と「長さ」。
太すぎず、細すぎず、長すぎず、短かすぎずと絶妙なプロポーション。

素材が見るからに「ステンレス」ですと、主張しているので
手に持つ「触感」が、ひょっとすると「冷たい」かと思ったけど
表面仕上げが「つや消し」のせいか、思ったほど冷たくはない。
こういうきめ細かな「仕上げ」は、手に触るモノほど特に重要になる。

ステンレスのパイプ素材は、冷たさよりはパイプの「軽やかさ」があり
また、パイプの中には黒いプラスティックを充填してあり「安定感」もある。
飲料品を相手にするため、素材も「衛生的」で、メンテナンスフリーだ。

丸棒というシンプルな形状ですが、栓抜きの機能性だけでなく
道具としての「存在感(アイデンティティ)」があり
デンマークの「stelton:ステルトン」のデザインには感心させられる。
家で缶ビールを飲むようになってから、栓抜きの出番が減ってきたけど
引き出しの中には変わらずに、ちゃんと置いてあります。
  


Posted by デザイン散歩 at 19:03Comments(0)グッドデザイン

2010年04月29日

酒が旨くなる青磁のぐい呑み



日中は暖かくなってきたけど、まだまだ夜は冷えますから
晩酌には、ぬるめの燗をつけた酒がうまい季節。

暑い夏がすぎて秋風が吹きはじめる初秋の頃の晩酌も
ぬるめの燗酒が、これまた旨い。

そして、花冷えの今頃に飲む、ぬるめの燗酒もまた旨し。
新緑をイメージするような伊万里鍋島の青磁のぐい呑みで
飲む燗酒もまた旨し。

白磁、唐津焼、備前焼などの酒盃がいくつかあるなかで
この季節には青磁のぐい呑みで飲むと、どうも一味旨くなった
ような気がするのは、酒器のせいと季節のせいかも。
それにしても、西有田の地酒「宮の松」は旨かばい!

宮の松さんのブログは⇒こちらから  


Posted by デザイン散歩 at 18:56Comments(0)グッドデザイン

2010年02月15日

ナイキのランニングシューズ



たまにスロージョギングをするぐらいですから、履いている靴といえば
ゴム底の運動靴の出番が多い。
気に入っている靴を履き続けて走っていると、自然にゴム底が減ってきて
そろそろ寿命が来たので、代わりの運動靴を探しに出かけた。

スロージョギングですから、ランニングというスピードではないけれど
足元をしっかり守ってくれる靴は大事な道具です。

ナイキの店に立寄って、ランニングシューズを見ていたら
「ナイキエアー」のタイプに新商品があった。
ナイキエアーはテニスでも履いているので、試しに履いてみたら
エアータイプも進化しているのに驚きました。
素材や構造も随分と進化して、それに伴い外観も新しくなっている。

ランニングシューズですから、見た目は似たような姿やカタチなんですが
技術の改良に完成はなく、デザインが進化するだけ。
履いて走ると、足取りも何となく軽く感じるグッドデザインなシューズです。
  


Posted by デザイン散歩 at 19:15Comments(0)グッドデザイン

2010年01月25日

埼玉県川越のコエドビール



昨日、ベルギーのビールを書いたので、今日もビールの続き。
昨年の秋、ブランドをテーマにしたセミナーに、講師には京都の大学で
デザインを教えている友人のY教授に伊万里まで来ていただいた。
その時に、地方の中小企業で「ブランド作り」で、成功している事例を
いくつか紹介してくださいと頼んだら、その中の一つに埼玉県の
川越市で、地ビールを作っている会社があった。

川越市は蔵の町作りをしており、「小江戸(こえど)」とも呼ばれている。
美味しい地ビールができた最初の頃、ビール瓶のラベルには漢字で
「小江戸ビール」と書かれて、あまりパッとしなかったようです。
ビールの味は旨いのに、あまりパッとしないのは「小江戸」という
筆文字のデザインやボトルなどのインパクトがどうも弱かったようです。

写真はリニューアルをしたコエドビールで、デザインはちょっとしゃれた
外国のビールみたいな雰囲気になって、「和風味」が消えている。
商品のコンセプトを、川越の和風な「小江戸」ではなく、ビールの本場に
立ち位置を変えて、英文字の「COEDO」にしたのです。
いかにも、ビールの本場のようなデザインですから、本場のように
COEDOビールは美味いだろうと、云うイメージになるのです。

「川越→歴史→蔵の町→小江戸→和風=筆文字」にこだわらないで
デザインをリニューアルするだけでなく、販売促進にも力を入れて
川越市内のイベントにも出店して、川越市民や観光客にPRする努力を
したから、今では順調に業績を伸ばしている。
ビールの味=デザイン=PRなどの「努力の方向」があっていると、ちゃんと
良い成果が出るもの。

論より証拠で、コエドビールはこちらをクリック→COEDO
たぶん、ブランドやHP表現の参考になりますよ。  


Posted by デザイン散歩 at 15:19Comments(2)グッドデザイン

2010年01月08日

グッドデザイン賞の鋏ー②

美容鋏のデザインを始めるときの最初の仕事は、世の中にある美容鋏は
一体、どんな鋏たちが存在しているかを理解するのが、初めの一歩。
新商品を出すことは、他社との競争になりますから、まずは鋏について
他社商品の現状を知るための「現状把握」のマーケティング作業です。

新しい美容はさみのデザインを考える時、チタンコーティングした
ハサミの美しい姿とは、どんな姿が適しているのだろうかでした。
光輝くような色を、より楽しめる姿に、「屈折」があるのではと思い
屈折する色の輝きを表現するには、どうするかとアイデアスケッチを
何枚も描いている途中に、「面取り」のアイデアが閃いたのです。
スケッチを何枚も描いていると、突然に「これかな」と云うのに出会い
後は、面取りラインのカーブ曲線のスタイリングに移ったのです。



美容鋏は美容師さんの大事な商売道具ですから、単に切れ味だけでなく
持ち易さや持ち替え易さ、指の当たり具合など、十人十色です。
個人の指の太さや硬さが違い、カット技術も多種多様。
こういった専門家を対象にする商品は、個々の個性に対応するように
指穴の大きさや形状など色んな工夫があり、ほとんど特注品に近いので
価格も10万~20万ぐらいになってしまう。
ハイテクなチタンコーティングをしていても、切れ味を左右する「刃付け」は
熟練の刃付け師による、刃付けの技が頼りになる。
刃先の面取りはマシンで加工できても、最後の仕上げは人の手ですから
作る人のこだわり方が、品質の良し悪しを左右するのです。
ハサミに限らず、モノを作っている人の「より良きこだわり」が大事ですね。
  


Posted by デザイン散歩 at 15:03Comments(0)グッドデザイン

2010年01月07日

グッドデザイン賞の鋏ー①

このブログタイトルは、「デザイン散歩+」と謳っているので、今年は
昨年よりも「デザイン」に関連する話を、もっとアップしようと思います。
あの松下幸之助さんも「まあ~、まずは思うことだね~」と云って、○○を
作ろうと思ったり、○○をしようと思うと、そう思った瞬間から関連する
ニュースに気付くことが多くなったり、関係する情報が集まってくるから
いつも、いつでも、「思う→強く思う」ことが大事だと言ってます。
新しいデザインをいつも考えていると、夢の中まで出てきて、デザインの
アイデアが浮かぶ事もありましたが、翌朝起きてみるとそれが一体
何だったのか、よく覚えていない事もあり、そういう時は夢中になって
夢の中でもデザインをやっているもので、「思う」ってのは大事ですね。



「はじめに言葉ありき」というのがありますが、これに習えって言えば
「はじめに思いありき」となるのでしょうが、その思いの温度が熱ければ
熱いほど、実現するのがグ~ンと早く近づくことでしょう。
要は、本人のやる気・本気の度合い次第です。

写真のハサミはグッドデザイン賞に入賞した美容専用のハサミ。
刃先には、チタンコーティングを施しているせいで、紫色のような輝きが
あります。チタンコーティングした色の「輝き」を表現するデザインとして
「面取り」を3面加工しているので、そのせいで、切れ味が良さそうな
よりシャープなイメージになると思ってデザインをしたのです。

Gマークに入賞するのがデザインの成果ではなく、あくまでも従来の
美容ハサミよりも、もっと良くするにはどういうデザインをしたら
良くなるのだろうと、考えたひとつの「在り方」にすぎません。
これよりも、もっと良いハサミは他にもたくさんありますから、それら
他のハサミよりも少しでも良くするにはどうするか。
切れ味、スタイル、重さ、耐食性、メンテナンス、色彩、生産性、流通など
こういったモノを構成している「要素・エレメント」を、まずは明確にして
・ハサミの構成要素のどれを優先するのか?
・商品全体の総合点バランスをどう配慮するのか?
・他社にはない「オリジナリティ」をどう打ち出すか?
などを、あれこれと思うわけです。この話しの続きは次回に。  


Posted by デザイン散歩 at 15:11Comments(2)グッドデザイン

2009年11月25日

やわらかな青磁の煎茶碗



伊万里鍋島焼の特長でもある、「鍋島青磁」を手がけている窯元の虎仙窯さんに
立寄ったら、やわらかなデザインの青磁の煎茶碗が置いてあった。

窯元さんによっては青磁釉薬もいろいろな特色があり、深い緑色もあれば
さわやかな青磁など、いろいろな表情がある。
この煎茶碗を手に持ったら、ずいぶんと手になじみやすい形状でした。

飲み口の部分も「うすく」仕上げてあり、やわらかなで上品な印象の青磁
煎茶碗です。ほん少しの窪みがあるだけで、持ちやすくなっていて
やわらかな表情だけでなく、器が持ち易いのもありがたい。
  


Posted by デザイン散歩 at 14:33Comments(0)グッドデザイン

2009年11月20日

2億本の商品



おはようございます。今朝の伊万里は寒~い冬模様ですが、歩いて10分の
出勤時間を、川沿いを30分ほど遠回りの散歩もしながらも身が引き締まってヨカです。

今日、紹介するのグッドデザインは、紹介するまでもないほど、名前だけは
知ってはいると思うキッコーマン醤油の卓上瓶です。
なんで、こんな日本全国のどこのスーパーの棚にでも置かれているのが
「グッドデザイン=Gマーク」なのでしょう。

上の卓上瓶の右側をよ~く見ると、小さく「Gマーク」があります。
これは1993年にグッドデザイン商品に選定された証明のあかしです。
デザインしたのは私が以前勤めていた東京のデザイン研究所です。
この卓上瓶がデザインされたのは、グッドデザインに選定される32年前の
1961年に誕生したのですから、今年で47年になります。
そして、いまや世界中に「2億本」も売られているロングセラー商品です。  続きを読む


Posted by デザイン散歩 at 13:19Comments(0)グッドデザイン

2009年11月16日

Gマークの審査とは・総集編



Gマークへの挑戦物語も10回ほどお話してきたので、そろそろ終着駅に。
(終着駅は始発駅とも、歌に唄われているようですが)
きょうは、これからGマークに応募してみようかと、新商品開発をしようとする
場合のポイントについて、今までに気がついた点を少々。
ようこそ先輩、よくきた後輩ではありませんが、入賞した経験者のひとりとして
新商品などを開発するときの、ひとつの参考になればありがたいです。
グッドデザインは、その商品のどれがグッドであるかを審査するから、たぶん
こういう項目を審査しているのではと想定。(あくまでも経験からの想定です)
・新規性ー新しい価値
・機能性ー機能的に優れている
・使用性ー使いやすい
・品質性ー高品質である
・美観性ー外観が美しい
・公共性ーより多くに有用
・時代性ー今の時代の価値観に適応
・独自性ー他の類似品との差異が明らか
・有用性ー役立つ
・適材性ーその素材の適正
・UD性ー誰でも使える
・安全性ー安全である
・互換性ーパーツ交換が容易

おそらく、審査項目はもっとあるでしょうが、こういった審査項目で採点されて
基準となる「ある点数」を超えることが、第一関門となるでしょう。  続きを読む


Posted by デザイン散歩 at 13:13Comments(0)グッドデザイン

2009年11月13日

柳宗理デザインのやかん



写真は見たとおりの、おそらく一家に一個はある「ケトル・やかん」。
私の家でも朝、昼、夜とキッチンに置いて、毎日使っているケトル。
Gマークに入賞した、このやかんをデザインした人は柳宗理(やなぎそうり)。
とても使いやすいのは訳があり、「少し斜めになった太めハンドル」と
洗いやすい「大きな口」。そして、安定感のある全体のフォルムです。
当たり前ですが、やかんの中には水を入れるので、水を入れた「重さ」に対して
手や腕にかかる負荷が少ないようにデザインされています。

また、このやかんを使って一番感心したのは「熱効率の良さ」。
すぐにお湯が沸くのが、とても良い。熱資源の高効率なやかんです。
やかんという商品の大事な点は「すぐに沸く」という機能性ですから、この
柳宗理デザインのケトルは熱を逃がさないように、フラット底面が広い。

毎日使うものですから、暮らしの中の道具として、あまり存在感を主張しない
「普通なたたずまい」にデザインされているのが、いいですね。
素材はステンレスですが、素材から感じる金属のカタサもあまりない。
「毎日の暮らしに使う」という視点で、使う時にはあまり身体に負担がないように
よくデザインされた少負荷なケトルです。これぞ、まさしく「優れモノ」。
使いやすいようにデザインするから、そいぎ、使っていても疲れんたい。  


Posted by デザイン散歩 at 13:19Comments(0)グッドデザイン

2009年11月09日

Gマークのガイドブック



先週は伊万里鍋島焼の「藩窯秋まつり」が、大川内山で開催されていて
このニュースをブログで紹介したため、Gマークのデザイン物語はちょっと
お休みしてましたが、今日から再スタート。

2007年度のグッドデザインに選定された商品を紹介するガイドブックの
正式名称には長い名前がついている。
ジャパンデザイン・グッドデザインアワード・イヤーズブック2007~2008
息継ぎをしない程度に、読める長さにしてほしいものだ。
また、アワードとかイヤーズなんて表記してあると、なんか勿体ぶって
良さそうな響きを感じるようにしてあるのも、「Gマークは違うぞ」という
ような、差別化をはかっているようです。
表紙は、ご覧のように大きな「Gマーク」が大きくデ~ンと収まり、白い背景に
マークは赤い色で、まるで日本の国旗のようにジャパンを印象づけています。

この中には、グッドデザイン賞に入賞した1,043点の商品たちが
416ページにわたって紹介されています。
ここに掲載されるまでには、昨年の5月から応募書類の準備をし
6月初旬に応募書類の締め切りがあり、7月には第一次書類審査をパスして
現物審査に向けての準備に取り掛かり、8月下旬の現物・第二次審査が
行なわれ、9月中旬に内定の知らせを受けました。
そして、10月の表彰式と表彰状。
ここに来るまでには、この良き成果と出会うために「準備をしてきた」のです。
このブックには、世界規模の大企業で毎年のように受賞している企業のモノ
から、地方の小企業の初めてのモノが、同じ「グッドデザイン」という土俵の
上で肩を並べているのが嬉しいです。  続きを読む


Posted by デザイン散歩 at 14:41Comments(0)グッドデザイン

2009年10月30日

Gマークの現物審査



Gマークへ応募した申請用紙が、柔道で言えば、「効果アリ」となったの
でしょうか、第一次書類審査をパスして、2回戦に進むことができました。

後出しジャンケンではありませんが、パスする前からイシモクさんには
書類審査はパスするだろうと言ってまして、確信はあったとよ。
確信する理由は、Gマークの審査員が「この木製プレートはグッドな印象
を受ける商品だなぁ」と理解してくれるように、これだけ書いたらこの良さを
わかってくれるにちがいないと、書類を書く仕事をしたという実感からです。
そして、この応募書類に書かれている現物を、審査員がきっと見てみたくなる
から、とりあえず書類審査はパスさせてくれるだろうと思ったのです。
そうはいっても、書いた我われの勝手な思い込みに過ぎないし、決定権は
審査員の手に委ねられていますから、書類審査をパスしてヨカッタ~す。  続きを読む


Posted by デザイン散歩 at 15:07Comments(0)グッドデザイン

2009年10月28日

Gマークへの応募用紙



ズラリと並んだ書類は「グッドデザイン賞」への応募用紙です。
こういう応募用紙を普段には目にする機会は、あまり少ないのではと
思いまして、ちょっと紹介します。
グッドデザイン賞への応募には、こんな枚数の用紙に書いてから
第一次審査の書類審査を受けたのです。
書類審査をパスするために、グッドと思う商品であるからには、その
グッドですよという事について第三者(この場合は審査員)の方々に
よ~くその内容を理解してもらわんばですね。ここがポイント。
ですから、いろいろと商品の仕様などについて書く項目がありまして。
今回も、Gマークを主幹している日本産業デザイン振興会という
ところに「Gマークへ応募しますよ」と連絡して送られてきました。
日本産業デザイン振興会についてはここをクリックしてください。

普段にあまり見ない書類ですから、イシモクのN子さんがこれを見た時も
「こがん書類ば、書かんといけんとね」とびっくりして驚いていました。
まあ~、こういう堅そうな用紙を見ると、「めんどうだなあ」と誰でも思いますから
「まぁ、知らんことじゃなくて、自分とこの商品説明ですから、大丈夫ですよ」とか
「締め切りまで、まだ時間もあるし、私も手伝いますから」と、ここでノブコさんが  続きを読む


Posted by デザイン散歩 at 15:05Comments(0)グッドデザイン

2009年10月26日

木目を生かすデザイン



さて、デザイン図をイシモクのお二人に見せて、今回のデザイン説明を
している時は、ガックリとうなだれる様子もなく、またお二人の顔から
血の気が引く様子もなく、時々「ほ~ぅ」とか、「う~ん~」とうなるような
声がでるなどの反応がありまして、徐々にデザイン図を見る前の状態の
正気が、お二人の顔に戻ってきました。
そして、デザイン説明を話し終える頃には、「「こいはおもしろかね!」とか
「そいもヨカね~」などと、お二人の前にいる私に気を使ってくれたのです。
(ホンに、イシモクのお二人はヨカ人ですたい)
そして、見せたデザイン図の中から4点ほどを、なんでんかんでん話して
いると、イシイ社長から「そいぎ、試しに作ってみんば~」の一言が出て
早速にも試作品づくりが始まりました。

新しいデザインを提案したときに、相手から聞く嬉しい一言は、この
「まぁ~ひとつ、試しに作ってみるか」という、言葉です。

この間のデザイン図から、出来上がったのが上の写真の木製プレートで
「木楽」の中のひとつで「温:ゆたか」という商品です。
このデザインの特徴が「曲面の構成」と書きましたが、もう一度、上の
写真をじっくりと見てくんしゃ~い。
このスイッチプレートは本物の木で作られているので「木目」があります。  続きを読む


Posted by デザイン散歩 at 15:02Comments(0)グッドデザイン

2009年10月23日

Gマークのデザイン図面

木製スイッチプレート「木楽」の内側の実用新案原型も決まり、いよいよ
表側のデザインに取り掛かり始めました。
商品特性からデザインコンセプトは、「控えめに」。また「ハレ」ではなく
毎日使う「ケ」の商品ですから、「新しい普通の形=ニュースタンダード」を
イメージしてデザインスケッチをあ~でもないとか、これはどうかなぁ~と
描き始めました。
この「あ~でもない」とか、「これはどうかな」とデザインを考えている時間が
一番楽しい時で、時間がたつのもすっかり忘れます。
「木楽」の形状だけを見ると「シンプル」ですから、一見するとコンセプトが
「シンプル」のように思えますが、形状をシンプルにするのがデザインの
「価値」ではなく、インテリア空間の脇役としての「木質のたたずまい」を
どうデザインするのが、この場合の大事な要素でした。



そして、描いた中から4~5点ほど選んでお二人に見せたのです。
上の写真のデザイン図はそのひとつですが、このデザインのポイントは
下位置の断面図に描かれているように、大きな曲線(曲面)の構成。
木質のもつ柔らかさと、壁面からの突起をあまり意識しないように
デザインを考えたタイプですが、右側の断面図を見ると、裏と表の間の
木の厚み寸法が3ミリぐらいなのですが、ここが木工技術の見せ所。  続きを読む


Posted by デザイン散歩 at 15:09Comments(0)グッドデザイン

2009年10月22日

グッドデザイン賞への道④



こんにちは。今週の伊万里の町は「秋まつり」があるので、町中は
祭りの準備やらで、町の雰囲気が変わってきましたね。

このグッドデザイン物語も4回目となりましたが、新商品開発するのはそう
いい事づくめの連続で進むケースは少なく、いろいろと決断する時の
判断がとても大事になります。
今日はこうした決断をする場合に、モノを製造している方がその商品を開発
する「方向:やり方」を間違える場合について、少しお話します。

モノを作る人が新商品開発をしていて、進む方向を間違えそうになる場面に
遭遇する時がたまにあります。
そうした「方向を間違える場面」に出会う大きな原因は、実は「独自な技術」を
もっている事に原因があります。他社とは違う独自な技術を持つことは
「強み」になるから、とても良いことなんですが。
もう少し平たく言えば、その技術に過剰な自信があり、「こだわり過ぎて」
いる場合に、開発の方向を間違える場合がどうも多いようです。  続きを読む


Posted by デザイン散歩 at 13:19Comments(0)グッドデザイン

2009年10月21日

グッドデザイン賞への道③



今日も木製スイッチプレート「木楽・きらく」のグッドデザイン賞への
開発物語についての話の続きです。

先日は、木製プレートの2つのネジ穴をなくすアイデアを形にして、何とか
留めネジが見えないようにする工夫を考えた話をしました。
まぁ~、こうして書いてしまえば、たった5~6行ぐらいの文章で、新しい
アイデアが生まれたようになるのですが、ほんとうに簡単だったのです。
「やってヤレナイことはない。やらずにデキルわけがない」の心構えで、
明るく楽しくして取り組んでいくと、簡単に出来上がるのです。

なにせ、「こいはどげん」と「そいはこげんしては」が飛びかいながら、
東山代町の木工所の夜は更けていったのです。
そして、ナンデンカンデンと話したり、アイデアを書いたりしている中から
いいアイデアが突然に生まれて、「こいはヨカたいね」となって、早速に
ベニヤ板で手作りの取り付け枠見本を、イシイ社長が作ったのを見た時が
「こいはヨカたいね」というアイデアから、「こいはイケル!」に確信して
これが、まさにグッドデザインへと大きく前進したのでした。
この時に、私の頭の中では木製スイッチプレートのデザインのイメージが
出来て、グッドデザイン賞に入選する自信が確信になった瞬間でした。  続きを読む


Posted by デザイン散歩 at 13:03Comments(0)グッドデザイン

2009年10月20日

グッドデザイン賞への道②



平成19年度の「グッドデザイン賞」に入賞した、木製スイッチプレートの
商品開発に関わった話の続きです。
「木楽:きらく」という木製スイッチプレートが生まれた「キッカケ」の始めは
「お客さん」の一言からスタートしたのです。
その一言に応えて、「試しに作った事」が最初の一歩になりますから
やはり、「お客さんの声には素直に耳を傾ける」のが大事ですね。

このプレートはおそらく、イシモクが作る木工品の中でも小さい方ですから
もし、イシモクのN子さんがお客さんの声を聞いて、これを何とか作ってみようと
「思わなければ」、木楽はこの世に誕生しなかったかも知れません。
ここがGマークへの道に行くのか、どうかの「分岐点」にもなったのです。
前回に紹介した作品第一号を見てもわかるように、プレートの四つ角には
逆アールの加工があるし、四辺の周囲には加工を入れて立体的にして
あるしですね。まぁホントに手をかけたスイッチプレートなんですよ。  続きを読む


Posted by デザイン散歩 at 15:01Comments(0)グッドデザイン

2009年10月19日

グッドデザイン賞への道①



今日から、平成19年度のグッドデザイン賞に選定された木製スイッチ
プレート「木楽・きらく」の商品開発の物語を紹介していきます。
このグッドデザイン賞をとるのは、あまり佐賀県内の事業所では身近では
ないので申請書や審査基準がむずかしいように感じるかも知れません。

しかし、Gマークに選ばれるような商品を作れば、選ばれるものなのです。
なんて書くと、ずいぶん簡単に聞こえるかも知れませんが、それよりも
これを「グッドビジネス」にするのがもっと重要なので、グッドデザイン賞は
そのグッドビジネスへつながる一つの階段のようなものです。

この木楽を作っている会社は伊万里の東山代にある木工所の「イシモク」。
ここは木工所ですから、木製品なら何でも作っちゃうところで、普段は
もっと大きな家具など住宅に関連する木工品を製作しています。
そして数年前に奥さんのN子さんから、写真のような木製スイッチプレートを
見せてもらい、ここからグッドデザインの商品開発が始まったのです。  続きを読む


Posted by デザイン散歩 at 15:03Comments(2)グッドデザイン