○○らしくないデザイン

デザイン散歩

2010年07月09日 15:07



上の写真は「ハサミ」です。本当です。
一体、どこに刃先があり、どうやって切るのかわかりますか。
いやホントに切れるのかと思わず疑ってしまったシロモノですが
ちゃんとしたキレモノです。
ハサミの大きさは、約8センチで、片手に入るサイズ。
以前、開催された「デザインコンペ」でグランプリ入賞した作品で
その後、おそらく商品化にはなっていないでしょう。
(銀座の伊東屋にも売っていなかったので)

有名な建築家のミース・ファンデル・ローエの言葉に、
「神はディテールに宿る」と、あるように
ディテール:DETAIL =細部の意味で、「物事は細やかな部分にも
気を配り、こだわる事が大切だ」という意味だと理解しています。

このハサミは紙や封筒は切れますが、手にあてても切れないハサミ。
手にあてても切れないから、カバンや洋服のポケットに入れても
安全なハサミのです。
刃先の角度は約80度ぐらいですから、とても鋭利な刃先でなく
「ハサミは切る道具=あぶない」という既成概念にとらわれないで
モノは切れるけど、あぶなくない安全なハサミと、一見すると
相反するようなコンセプトで考えて、どうも生まれたようです。

このハサミを見るたびに、
「新しいデザインを考える時は、既成概念にとらわれないで
自由な発想が大切だよ」と、いう声が聞こえてきます。
このハサミで切っているシーンは次回にでも。

関連記事