以前に、
このブログで紹介した、「やかん」の取っ手です。
やかんは手に持つ道具ですから、持ちやすい事が重要。
持ちやすいとは指や手、腕などに「負荷」をあまりかけないことで
やかんの中には熱い湯が入っているので、「安全性」にも
充分配慮して、デザインを進めていくことになります。
写真のやかんの取っ手は、やや傾斜した状態で、取っ手の中央部に
膨らみを持たせることで、「しっかりと持ちやすくて、注ぎやすい」という
機能性に応えており、グッドデザインなやかんの取っ手。
このやかんをデザインした人は、柳宗理さん。
手に持つ道具には、「使う人の年齢」や「用途」に配慮することが大事。
ですから、コーヒーカップにも同様に、細やかな配慮が必要になります。
コーヒーカップの中には熱いコーヒーが入っているので、やはり安全性に
配慮して、モノ作りに取り組むべき「手に持つ道具」なのです。
佐賀新聞に有田焼マグカップの新商品紹介があり、取っ手が男性の指なら2本
女性の指なら3本入るから使い易いなんて記事があった。
残念ながら使う相手(お客)よりも、自分達の都合(製作コスト低減)を優先した
まったく「使いやすさ」の配慮のセンスがずれた、安易な印象を受けた。
このマグカップを作っている窯元や商社の人たちは、ほんとうに生活の
中で、自分達のマグカップが良いものだと思って使っているのだろうか。
使い易いとは、使う人にとって「負荷が少ない」事を意味しているのですから
使う人(お客)の状況を優先して、よく考えては、またよく考えるしかない。