シンプルと単純は似ているけど

デザイン散歩

2011年03月19日 19:19

いつものように朝が来て、いつものようにトーストを焼いて食べている。
こんなごく普通の朝食が、ずいぶんと贅沢に思えるこの1週間です。

いつもの朝に使っている木のお皿は使いはじめて30年以上になり
あまり身近にあるせいか、ほとんど気にすることなく使っている。
工業デザイナーの師匠のような秋岡芳夫先生が主宰していた
「モノモノ」というグループの勉強会に参加していたときに見つけた。
真ん丸い形をしている木製のプレートで、毎日使ってますが
30年経っても、ぜんぜん飽きません。
お皿のサイズ加減、リムの幅、中の凹み具合、持ちやすさ、厚みや
収納性、重ねやすい、木目の美しさなど、プロポーション、木肌の色など
いろんな要素のバランスが気にいってます。







形が真ん丸だから、シンプルなデザインだと言えるかも知れないけれど
シンプルを日本語に訳すと、「簡単な」とか「単純な」の意味になりますが
道具として「理に適っている」ことも、シンプルな意味にもつながるのでは。
あるいは、カタチに無駄がないとか、カタチに無理がないとか。
材料を加工してモノを作る場合、無理な加工をして作ると、後になって
「ひずみ」が出てくる。ひずみという字は「歪」と書き、何事にも「ひずみ」は
あまり嬉しいものではありませんね。

商品の存在価値として、「理に適っている」ことは何だろうと探して
探し求めた「理」を「カタチ」に集約すると、意外なシンプルに出会うかも。

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