グッドデザイン賞への道③

デザイン散歩

2009年10月21日 13:03



今日も木製スイッチプレート「木楽・きらく」のグッドデザイン賞への
開発物語についての話の続きです。

先日は、木製プレートの2つのネジ穴をなくすアイデアを形にして、何とか
留めネジが見えないようにする工夫を考えた話をしました。
まぁ~、こうして書いてしまえば、たった5~6行ぐらいの文章で、新しい
アイデアが生まれたようになるのですが、ほんとうに簡単だったのです。
「やってヤレナイことはない。やらずにデキルわけがない」の心構えで、
明るく楽しくして取り組んでいくと、簡単に出来上がるのです。

なにせ、「こいはどげん」と「そいはこげんしては」が飛びかいながら、
東山代町の木工所の夜は更けていったのです。
そして、ナンデンカンデンと話したり、アイデアを書いたりしている中から
いいアイデアが突然に生まれて、「こいはヨカたいね」となって、早速に
ベニヤ板で手作りの取り付け枠見本を、イシイ社長が作ったのを見た時が
「こいはヨカたいね」というアイデアから、「こいはイケル!」に確信して
これが、まさにグッドデザインへと大きく前進したのでした。
この時に、私の頭の中では木製スイッチプレートのデザインのイメージが
出来て、グッドデザイン賞に入選する自信が確信になった瞬間でした。
上の写真は「木楽」の内側とプラスチックの取り付け枠を並べたものです。
もう少し画面に顔を近寄って、木の内側をよ~く見てくんしゃい。(こいが大事)
右の取り付け枠に上下のネジ穴用の2つの穴があるのが見えますね。
左の内側の上下にも同じ位置の所に、丸い跡が2つ見えますか?見えますね。
これは、ネジの頭が当たらないように少し凹みを加工しているのですよ。
これが木工の技術の高さと丁寧な仕事を表しています。
また、この取り付け枠の工夫で「新規性」と「独自性」が出ることになり
独自なアイデアは実用新案に申請して、「知的所有権」を獲得しました。
これが、実用新案という「新しい案」なので、この商品が「新しい」という
意味の大いなる裏づけ(証明)になりますから、Gマークへの
第2ステージに大きく進むことができたのです。(ここもポイントです)

商品開発をする場合に、よく「新しい」という言葉を使いますが、この「新しい」と
いう意味の解釈としては、新しいの「新」の読み方には、「新たに」があり
この「新たに」の意味には、「改める」があるに思います。
そして「改める→新たに」と変化していったような気がするのです。
例えば、今ある不便や不満な点を改めるようなアイデアを出すと
それは今よりも「新しい」ことへと変わることにつながり、今より良くなるよう
に改めるが「改良」ですから、今よりもどうしたらもっと良くなるのかを
考えることが、デザインをする上ではとても重要で、今あるモノを
「さらに良くなるようなカタチに変える」ことがデザインとも言えますね。

余談ですが、「新:あらた」にの「あら」は「現れる=洗われる」にも
つながっているような気がします。
例えば、汚れた手を水で「洗う」とは、これは汚れている状態を「改めよう」と
する事と同意で、洗うときれいな手が「現れる」のような気がする。
新しいデザインは、今ある商品の「不」の要素を「洗って」「改める」ことに
よって、新しい価値が「現れる」ものだと思います。
たまには、心の引き出しの中を洗ってみると、なくしたモノが現れるかも。
そいぎ、話の続きはまた次回に!
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