グッドデザイン賞への道④
こんにちは。今週の伊万里の町は「秋まつり」があるので、町中は
祭りの準備やらで、町の雰囲気が変わってきましたね。
このグッドデザイン物語も4回目となりましたが、新商品開発するのはそう
いい事づくめの連続で進むケースは少なく、いろいろと決断する時の
判断がとても大事になります。
今日はこうした決断をする場合に、モノを製造している方がその商品を開発
する「方向:やり方」を間違える場合について、少しお話します。
モノを作る人が新商品開発をしていて、進む方向を間違えそうになる場面に
遭遇する時がたまにあります。
そうした「方向を間違える場面」に出会う大きな原因は、実は「独自な技術」を
もっている事に原因があります。他社とは違う独自な技術を持つことは
「強み」になるから、とても良いことなんですが。
もう少し平たく言えば、その技術に過剰な自信があり、「こだわり過ぎて」
いる場合に、開発の方向を間違える場合がどうも多いようです。
工場の設備や技術者の腕に頼って生まれたモノは「製品レベル」であり
これを「商品レベル」にステップアップするには、その商品の役割(価値)や
使われる環境や条件、お客様の評価など、商品価値の「優先順位」を
理解することが大事です。
木製スイッチプレートの場合、役割の要素を一言で言うと「インテリア性」。
これは「スイッチ操作の補助的な役割」をする道具で、インテリアを構成する
場合には、「存在感を控えめに」する事が、プレートの大事な役割です。
上の写真は知人の住宅ですが、このインテリアの白い壁には白いプレートで
シンプルな空間になって、空間に合うよう控えめに構成されています。
プレートは、単独の商品として成立する自転車やカメラ、時計などと違い
スイッチやコンセントを補助するもので、いわば映画やドラマの主役ではなく
脇役的な役割なのです。しかし、映画やドラマでも、脇役が主役を食うことも
あるように、脇役ならではの存在感を考えることがデザインなのです。
しかし、モノを作る経営者や技術者にありがちなのが、その技術をもっと見せて
もっと存在を主張したがる傾向があり、その商品の置かれる環境や条件などを
軽視して、つい自分の技術を優先しがちになるようです。
技術のこだわりと、環境や条件との「良き調和」が商品開発には大事です。
「こだわり」は大事ばってんが、「こだわり過ぎ」にならんごと、用心せんばね。
そいぎ、話の続きはまた明日。
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