2011年11月15日
それぞれの形には意味がある
ひさしぶりの今日のブログは食事のときに使うフォークを
例にして話したいと思います。
上の写真には4本のフォークがありますが、食事のときに
フォークをどれにしようかと迷わずに選ぶのが右端のタイプ。
フォルムが気に入ってるのは左端のタイプで、直線部がなく
全体にやさしい印象を受け、金属の冷たさを感じさせない
やわらかなデザインをしたのは柳宗理さん。
今まで一番よく使っていて、たまに使うのが真ん中の2本。
シンプルなスタイルで、合理的なコンセプトだと、デザインは
こうなるよというお手本のような形状です。
しかしながら、右端のフォークが登場してからは、出番がめっきり
減ってきて、出番が少なくなったには理由がちゃんとある。
フォークの櫛の部分を見ると右端の方が細く長い。そして両サイドの
櫛も右端の方が細くなってるから、刺すときの抵抗力(ストレス)が
より少ない。このわずかな櫛の太さの違いが、使う(刺す)ときに
大きな差になっています。まさしくディテールこそ大事です。
そして、ホールド部は右端の方は下にいくほど幅広で、使うときの
安定バランスが優れている。
デザインの形状を決める前には、素材の特性や技術、生産性などの
作る側の条件を考慮するだけでなく、モノの在り方へのこだわりを
考えてこそ形の意味があり、使う時の「ストレス」をより少なく
するのもデザインの役割りだと思います。
Posted by デザイン散歩 at 19:41│Comments(0)
│デザインとは